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時間

「時間は幻想なのか。」

考えるということをとらえることが、当面の(現世の?)僕の生きるモチベーションなのですが、考えるということと時間とは切っても切り離せません。時間の経過なしに考えることができないという意味で、考えることは時間に束縛されていると、考えるのが妥当だからです。

時間と切り離せないからこそ、考えることについて、時間観を見直すことは根源的な取り組みになります。

この、時と精神というワードから僕が真っ先に思い浮かんだのは、授業で読んだ小林秀雄の「無常ということ」です。「過去から未来に向かって飴の様に延びた時間という蒼褪めた思想」という言葉が既存の時間観を見直したい気持ちに合致しました。

僕の個人的な感想ですが、この文章で小林秀雄は、どのように歴史をとらえるべきか、美、面白さ、という価値を歴史に見いだせるのか頭を悩ませその体験を反芻しているなかで、つかみかけていることを断片的に書き連ねていったのだと思います。

巧みに思い出す、という稀有な体験をした筆者は、そこに価値を見出し、うまく思い出すためにどうすればいいのか考えます。その中で、先ほど取り上げたように「飴の様に延びた時間」という唯物的な時間の見かたに疑問を感じています。

物質的な時間と精神的な時間とのずれがその疑問を呼び起こしたのではないかと、時間観を見直してみて思いました。

考えるということを鑑みるに、過去から現在、現在から未来へと流れる時間というのは思考の流れと一致していません。

物理的に見て、アクティブな思考というものは現在であり、思考から見た「過去」「未来」は幻想です。物質として我々は、過去から未来へ流れているのかもしれませんが、現在に閉じ込められている思考が過去や未来をまさしく認識することはありません。思考は「過去」という残像を思い出し「未来」に思いを馳せているのです。

物質的に見て、われわれの思考を、その思考が生じた時間によって順序付けることはできても、思考それ自体には過去も現在も未来もありません。

だからこそ、精神における時間を、その適当と思える性質によってとらえなおさなければなりません。

僕が至りかけている、その精神的な時間を述べましょう。

現在とは変化であり、感情であり一時的なものです。

過去とは広がりであり、空間であり、普遍性を持ちます。

未来とは収束であり、時間であり、個別的です。

そして精神的な流れにおいては基本的に、・・・→現在→過去→未来→現在→・・・とぐるぐる回っています。

時間の経過を思い出してみると、時間が経過していくと、だんだんと過去が増えていきます。そして、過去というのは伸びているのではなく、どの方向にも同じように参照できるという意味で空間的で、その広がりによって、あらゆる事実は過去へとしまい込まれていき、また繰り返しの中で、普遍性を獲得します。逆に未来は、だんだんと狭まっていきます。それまであった可能性というものが時間によって消えていき、やがて一つへと収束します。過去はそのまま受け入れられるのに対し、未来は因果関係によって考えられるという意味で時間的です。そして、未来というのはさまざまな可能性でありながら、それらは異なる未来として認識される個別性を持ちます。そして、この未来と過去とをつなぐ橋として、一過性の現在があります。常に変化しているのが現在であり、変化することによってしか認識できないのが現在です。感情や実感というものはこの現在を通してしか獲得できないもので、まさしく生というべきものです。

そして、物理的には過去→現在→未来と流れると考えるところですが、精神的には、現在→過去→未来→・・・と進みます。「現在」という変化の多様性、繰り返しの中で「過去」は獲得され、「未来」は「過去」を糧にして構築され、「現在」は「未来」に引っ張られるようにしてその軌跡を描きます。

ここでカッコつきの現在、過去、未来は物理的な時間と一致しているわけではなく、その中から性質を抽出したのでそう呼んでいるわけですが、実際僕らの心にとっては物理的な時間のいみはそこまで大きくないのではないかと思います。

小林秀雄のあの稀有な体験とはまさしく、過去を現在として受け取っていたということです。現在とは変化であり、直接的な感情であり、まさしく生々しい生です。現在というのは一時的なものですから、頭を満たすことはありません。感覚が満たされるのです。

なんだか、わけのわからない混沌とした文章になってしまいましたが、普通の時間観を見直すことで、ちょっとは蒼褪めた思想から脱却できたのかな?と思います。

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